4月29日日曜日 黄空
浜渦正志とMinaのユニット、IMERUATのアルバム「Black Ocean」聴いたので、一般人のぼくが感想を書く。
とりあえず初回版についてる紙ww印刷ボケてるし裁断も紙クズくっついたままですけどwってのが第一印象。日本語の翻訳が付いてるのが嬉しい。
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アイデンティティが濃い氏がフリーに転身してから初めて一般販売したCDであり、リスナーが長年崇拝して已まない作曲者自らが「過去最高」と謳っていたこともあって、聴く前は正直ショックで健康に障害を及ぼすのではと恐れていたんだけど、結果的には問題無かった。
全体的に、ファンがよく知るしっとりした曲よりはリズムのしっかりある曲が多い。静かな曲も、ただ優しく弱々しいのではなくて、変則的でありながら毅然とした態度がある。各曲の雰囲気はかなり幅がある。エレクトロニカ、クラシック、ミニマル、フォーク…?
また、ギター、ピアノ、ヴァイオリン、フルート、パーカッションなどの生の楽器が多く採用されて、その他の木管や金管は皆無かと思う。ストリングスも打ち込み臭さがかなり残り、録音した音にもエフェクトをかけるなどしてあるので、スケールは小さめに感じた。雑然とした音楽とメッセージ性の強い歌詞との連携が、数回聴いただけでは全然理解できない。
もちろん和声のアホな進行も沢山あるんだけど、それよりも同じフレーズ、同じリフのくり返しの上で曲の大半ができているものが多いので、コードというよりもモードや勢いで流れる印象が無くもない。
曲はほぼすべてアホな構成をしてる。変拍子、転拍子は当たり前、フレーズは4小節ずつ区切られてもいないし、まずただでは終止することはない。珍しくメジャーコードで楽曲が終わったと驚けば、統合失調した後奏が湧いてくる。そろそろ曲が終わるかと思った頃にやっと声が乗るものがあれば、4秒で言える台詞を4分に引き伸ばしたものもある。歌詞のイントネーションをあえてずらすように配置するなど、裏であり同時に表であるような音形が多用されているのには、正に音楽で遊んでるとしか思えない。
Minaの声もすべて色が異なり、さらに編集が加えられているから別人に聞き違えてもおかしくない。歌詞が英語、日本語、アイヌ語と混成しているのは勿論、擬音やかなり長い音を出したりもしてる。ライブ同様ムックリとトンコリも力強く演奏してるのが分かる。
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昔から、人のとても自然な気まぐれを表現できる人だと思ってたけど、それをピアノ一台ではなくてこの規模で実装するのは大変だろうなぁ。打ち込みなのにほとんど即興演奏みたいなんだから、作るのは大変だと思う。…もちろん普通の体を成してる感じの楽曲も収録されてるけど。
まぁ、作曲者も言うようにこのユニットは商売のためにやってるんじゃないし、ゲーム音楽からの制約を脱して変化するのも当たり前。今までの美しく雄大な響きよりも、噪音や不協和音が多くて、かなり本来の自分らしく勝手に遊んでるなって思いました。その活き様は子どものようで、見守っていたい気すらする。
あと改めて聴いて思ったけど、自分がライブに行った翌日作った曲「Popost-IMERUAT」が半端に忠実に再現できていたなと。「Yaysama」のリズムで「Battaki」の調で「Leave me alone」のコードやったらこんな感じじゃないすか。ギターの使い方とかほら。あと「Left」の中でGarageBandにあるリアル音源とそっくりなのが多用されてて、一瞬萎えたが親近感湧いた。
「Yaysama」はライブで聴いた時はCDに載せらんないじゃんと思ってたけど、イメルアのライブ→イメルアのコタン(集会)に歌詞を変えてまぁ無難になった。毎回歌詞が変わる気まぐれな曲だと言ってたけど、歌詞カードと歌さえ違ってた。
初回版ボーナストラックは本編よりも笑えるから手に入れた方が良い。アイヌに興味があるのはつまり浜渦さんのせい。今日のところは以上★☆★
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( ^^) _旦~~ おきがるにどうぞ。