2013年7月11日木曜日

67 「シアター・イメルア」「カフェ・イメルア」レポート

2013年7月11日(木) 曇暁

2013年7月6日(土)神楽坂セッションハウスにて、IMERUATによる「シアター・イメルア」「カフェ・イメルア」が催された。レポート。

慣例に倣ってライブのレポートを書くけれども、既にIMERUATの賑わいに鑑みて私の記事自体の価値はあまり大きくないと思うので、今後のことは様子を見て判断しようと思う。また、基本的な叙事はもはや重要ではないので私見や横の情報を多めに書く。

イベント事というと本来の意味からして祝日、あるいは日曜日というのが普通かつ大勢的だけど、逆に祝祭日こそがどう考えても休みが取れない人、つまり大きく見た場合の同業者もまた多い。土曜日の開催はありがたい。

僕も恐らく唯一仕事着のまま会場へ向かう。神楽坂は下旬の祭りの準備的な雰囲気で盛り上がっている。会場は駅からすぐ近く。外まで飛び出してトイレのドアを塞ぐ入場の列と物販の列が相変わらず合体していることに後から気づいて驚いた。さすがに完全に覚えている顔も多いが一般客側の名前は一人も知らない。

長い列を越えると自由席なので前は満席、後ろの方へ…と、招待客であるギタリストやコンポーザーの前を横切っていけど席は無し、熱さと闘いながらの立ち見になるも、シアターと名を打つだけあって映像とダンスが主役のイベントである上にMCが挟まれないまま本編は終了。

MINAさんの百貨店呼び出し嬢ボイスでのアナウンスは姿が見えないせいか会場では笑いが起きず、白熊と白狼、Giant、Improvisation、イメルア体操第4、おそうじ(仮)の5曲。白狼とおそうじははっきりした弦楽器の和声が大変美しかった。Impro.は文字通り演奏、ダンス、映像が即興だったらしいけれども目が見えない分にはよく分からず。イメルア体操は明るくなくて躍動感も無い、精神に訴える大変斬新な作品であると同時に浜渦氏としては最新だなと思わせる複雑でピアノ的な和音を多用していて大好きになった。あの音を一台で出せるのが驚き。

休憩の間に洗面所に行くとまた列。中から女性が出てきたり、使われていない個室があったり。観客全員の前を横切って見やすい移動すると、席が無いとスタッフが動いていた。真ん中の方でカバンだけを置いている客には目もくれずに席を追加、結局移動していない客は再び柱の後ろに残されたまま後半トーク開始。

立ち続ける客に気づかず、席が足りなかったことを申し出れば何か品を差し上げると真っ先に謝罪する浜渦正志氏。こういう気配りは成長しているのか元々備わっているのか、少数派の味方だなぁと組まれた脚を見ながら思った。後に分かることだが多くは申し出ていない。

軽く曲の紹介をした後でゲスト出演者を呼ぶ。出番が少なくてもにこやかで綺麗なパーカッショニストの寺田典子さんにインタビューしつつも自分が多めに喋るMINAさんや、映像を担当したスギモトトモユキさんに見せてもらったIMERUATとのメールや映像の素材の中で招待客の笑いを取るMINAさんなどなど。終わりが近づくと、友達と話してるかのように「今何時?」

「シアター・イメルア」の方は17時頃閉幕。2時間の暇。この間に招待客の殆どは去る。僕はその日配布されていたらしいプログラムとファンによる雑誌の存在を知り、なぜか個別に注文してその場を一時後にするも、なぜかアンケート的な用紙は入っていなかった。


19時30分「カフェ・イメルア」開場。


再び前方を向いた席が並び、椅子の上には十勝チーズケーキに三方六、くまささ茶、「イメルアタイムス1号」がセット。くまささ茶はファンの間で畳の味と評されたが、正にクセになるおいしさなので一押し。脈絡無く客席から仲間翔太さんを前に出してのトーク。
●DVD「IMERUAT」のコメンタリー。「Giant」撮影の際の過酷な条件は浜渦氏が呼んでいるように思われる。
●Q&A。「シアター・イメルア」で募集した質問に答える。MINAさんはたけのこ派、浜渦さんはきのこ派、開場はややたけのこ派、僕はきのこ派。たけのこ派は若いという持論が立証された。浜渦さんとMINAの出会いは展示会か何か。
●ムックリワークショップ再び。持ち方について新情報を入手。前回よりはずいぶん鳴る人が増えていたが、合奏などは無し。あまりアイヌアイヌしたくないと仰る割りにはなかなか入れてくる。
●ミニライヴ。アイヌ民謡&即興パーカッションでセッション。放課後の音楽室のようにきっかけは自然発生的だったらしいけども、的確で豊富なパーカッションにMINAさんの歌唱もしっかり方法論に則っていることが分かって良かった。
●アイヌ語クイズ。MINAさんが中学生用に作ったというパワポでアイヌ文化を楽しみましょうコーナー。公演などはよくやっていたこともあって流暢。
●抽選会&イメルアクイズ。物販品、ポストカード、買ったまま使ってない時計、Yaysamaの原譜、お茶3本セット、余ったお菓子、差し入れ等。僕がYaysamaに関するクイズに正解して獲得したのは沖縄銘菓ちんすこう。仕事着な分心持ち口が滑らかだけど、今思えばいきなり答えを言ったのはまずかった。
●全員でイメルア体操第4。浜渦氏の演奏。「今までやってきたことを一回忘れてください」のあたり客が真剣にやるあまり笑われる。確かに知り合いには見られたくない名場面だった。でも精神面を対象にした一連の体操、というか操作というジャンルは芸術というより学問や医療的に研究対象になり得ると思った。

終演後、例の握手会的な。体に気を付けるよう進言したけど笑顔で跳ね返される。

思うことや指摘は尽きないけどもこういうバランスで。

ネチネチした性格は巨匠との共通点として受け取ってもらえたら嬉しい★☆★