2012年10月20日土曜日

61 秋風と太陽

2012年10月20日(土)

今日もまた朝が来た。
よく晴れている。秋だけど寒い。
自由になりたくて、ファストフードを食べにいった。
わざわざ着替える。少し遠いし、当然お金もかかる。だから行く。
店の中で、七五三に行くという兄弟に出会った。
皆が見知らぬ彼ら家族に声をかけていた。

店を出てもまだ寒いが、さっきより明るい。
木々が眩しい。一つ一つが個性的で心惹かれる。
人が作ったまちだって、どれ一つとして同じものは無いだろうな。
一生ご飯も食べずに歩き続けたいという子どもの頃の夢に想いを馳せる。
24年という歳月を歩き続けていたとしても後悔しなかったろう。もちろんこの先も。
日の光に晒されているものは、何もかも美しい。
白日の下へ進む者が何をおいても正しかったのだろう。

帰り道、廃校になった小学校の跡地を小一時間眺めた。
校門から校舎までの景色はどんなだったっけか。
朧気な記憶も、もう二度と見ることはできない。
卒業してから、もう10年も経ってるのか。6年しかいなかったのに、もう10年。
その間、訪れたのは、1回だけか。
止められても行けば良かった。今日みたいに。
今考えると、この敷地のこの場所に校舎があったのか。意外と小さい。
鮮明な記憶も、もう二度と見ることはできない。

体が温まる。
久しぶりに長いこと日に当たっていた。お風呂より温かい。
でも、まだ手が冷たい。空気にそぐわない、屋内の冷たさだった。
どれだけ中に閉じ篭っていたのだろう。
熱いコーヒーを飲んでも、
布団の中で一日を過ごしても、
体中ふやけるまで風呂に漬かっても、
中にいる限り温かくはなれない。
外に出て陽の光を浴びなければ、体の中は温まらない。

小学生のときも、よく日なたぼっこをして時間を過ごしたなあ。芝生の上で。
結局今も昔も変わってないんだね。今もよく学校で寝転がってるもの。
僕はきっと子どもの頃を忙しくし過ぎた。
他の子どもたちを見て、決して無駄に過ごしているなんて思ってなかった。
むしろ、自分の知らないことを沢山知っている人達。羨ましいとも思ってた。
お勉強こそよくできたゲームで、その他のことを学ぼうとはしてなかった。

なぜ自然に触れている時、ふと誰かと一緒にいたくなるのか。
きっと、自分がここにいたことを誰かに憶えていてほしいからだろう。
自分の想いを、もう一人の誰かの中に持っていてほしいんだろう。
誰かに想いをすべて託して、その人の想いをすべて受け止めたいんだ。
せっかく何もかも開いているのに、身軽になれないんじゃ気持ち悪い。


もう学校の前の歩道橋を渡る人はいない。
今は高い壁に囲まれている小学校跡を一望できるこの歩道橋から
一人で、改めて町を一周見てみる
なるほど校庭の真ん中に立つこのけやきの木はこの町で
一番大きな木だったんだな、ときづいた。

そういえば、途中で拾って届けた電車のICカードは本人のところに帰っていくかなあ。


2012.10.20★☆★

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