世の中は就活も熱い時期ですね。
今日はSPI対策の本読んでてこんな問題が出てきた件。著作権拝借します。
「4%と9%の食塩水を混ぜて8%の食塩水を1000g作りたい。4%の食塩水は何g必要ですか。」
はい考えて。
●模範解答の引用↓
4x+9y=8000…I ←(濃度% × 食塩水g)の式。
x+y=1000…II
これを解いて、x=200
4x+9y=8000…I ←(濃度% × 食塩水g)の式。
x+y=1000…II
これを解いて、x=200
なるほど、文字を二つ置いて、二次方程式を立てるわけですね。中学生の数学を学んだ人なら誰でも解ける。
●僕の解法↓ 伝わらないと意味無いので冗長に説明する。
実はこれ、素直な人なら感覚的に気づくと思うけども、4%と9%を一定の割合で混ぜれば、1000gとか重さに関係無く8%になるお。その割合は、素直な人なら考えれば分かる。あるいは考えなくても分かる。
例えば、もしこれが20%と40%混ぜて30%にするなら1:1じゃん。0%の水道水で10%のアルコールを2%に薄めるなら5:1だ。つまり逆比を使えばよろしいってこと。簡単。
実はこれ、素直な人なら感覚的に気づくと思うけども、4%と9%を一定の割合で混ぜれば、1000gとか重さに関係無く8%になるお。その割合は、素直な人なら考えれば分かる。あるいは考えなくても分かる。
例えば、もしこれが20%と40%混ぜて30%にするなら1:1じゃん。0%の水道水で10%のアルコールを2%に薄めるなら5:1だ。つまり逆比を使えばよろしいってこと。簡単。
この問題を考えてる過程で、頭の中にこんな図がふわふわ浮かんできた。
ちなみに、その「てこの原理」は、このSPIの本の単元である、てこ、天秤、滑車、食塩水、鶴亀算、仕事算、ニュートン算とやらにも応用できた。なかなか面白いからそれぞれまとめてみたいくらいだ。
さて、
SPIを通して社会が望む能力とは何か、人間が基本的な物事を成すために重要な能力って何かって意見を述べたいためにこの話を持ち出したわけだ。
暗記して意味も解らず同じ事を繰り返す能力よりも、自分で全体をよく見て問題点を発見して、柔軟に明解に速く解決する能力だと言いたい。
そして、それは算数をするときにも今見たほどには役に立つ。むしろ必要とするくらいだ。
日本中の人が「てこの原理」とか言って慣れ親しんでるその原理をちょこっと応用すれば小学生の天秤の問題は全て簡単に解けるわけだけど、それがどうして食塩水の問題に使えるのか、素直ならすぐわかる。
支点から近くにかかる力は作用が小さく、支点から遠くにかかる力は作用が大きい。この図で言えば、8%という釣り合いが取れる点に対して、4%も離れた4%食塩水の方が少量混ぜるだけで濃度に大きな影響を与える。ただ4%という隔たりを大きな存在にしているのは対になる1%の隔たりで、つまり比率がモノを言っている。1000gという重力を支えさせるように食塩の重さを割り振るのは、距離の4:1の逆比、1:4だ。4%の食塩水は1000gの5分の1必要になる。
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こんなに冗長な話はここまでだ。今のは導入だから。
上の二つの解法で、僕が好きなのはもちろん後者だ。
自分は代数があまり好きじゃない。奇抜な発想と高度な計算で複数の事象を暴く技術としては非常に興味深いし尊敬するけども、あまりにも概念的でついていけない。何より忌み嫌うのは、意味も解らず数字を作成して暗記した通りに変形しては数理を分かった気になっている人が8割くらいいることだ。優れた数学者は、数学よりもむしろ物理学を好むことすら多い。
上の問題は、数学を持ち出すまでもないほど身近で現実的な問いだと思う。そして、SPIを通して企業が把握したいのもそういう実務的な能力の有無だろうと思う。少なくとも自分は、目に見えて仕事の役に立たせるほどに空論を操作する技術は稀有かと思う。
加えて、わざわざ文字を立てるまでもなく全体が容易に理解できるように図式化できて、模範よりも速い。ちなみに、その「てこの原理」は、このSPIの本の単元である、てこ、天秤、滑車、食塩水、鶴亀算、仕事算、ニュートン算とやらにも応用できた。なかなか面白いからそれぞれまとめてみたいくらいだ。
さて、
SPIを通して社会が望む能力とは何か、人間が基本的な物事を成すために重要な能力って何かって意見を述べたいためにこの話を持ち出したわけだ。
暗記して意味も解らず同じ事を繰り返す能力よりも、自分で全体をよく見て問題点を発見して、柔軟に明解に速く解決する能力だと言いたい。
そして、それは算数をするときにも今見たほどには役に立つ。むしろ必要とするくらいだ。
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私が小学生のとき、「算数はとにかく比が命だ」と先生がよく言ってたのを憶えてる。自分も同感だったし、今も概ね同感だ。
てこの問題にしろ、文字や状況を図に表す力にしろ、一つの図式を他の分野に利用する力にしろ、私の思想にしろ、比べてばかりだ。どれも比べる力が無ければ成り立たないし、比べるものが無くても成り立たない。
そもそも物理や水溶液の問題が算数の問題として出されているんだから、算数と理科を比べる例は分かりやすい。論理の実際の場である言語を整理して理解するにも比べる力は使うし、現実社会を抽象化、図式して理解する際にもやはり比べる力は便利だ。算数に限らずいろいろ得するのではないかと思う。
この話は何度もしてるけど、一つが二つにも三つにも役に立つと思えれば、もちろん実際に役に立たせれば、利益は大きい。一を聞いて一までしか分からないと信じてアンテナを休ませれば、大体そのようになる。算数とSPI、SPIと就職がなぜ関係しているのか、分からないよりも分かる方が好ましいに違いない。
補足だけど、そもそも、世の中は比較でしかないという考えは仏教や現代の哲学にも頻繁に言われている思想の一つで、そこまで大げさではないにしろ、自分も世の中縮尺が重要だと考えている。例えば、ある図形の任意の箇所の縮尺を任意に変えれば、任意の輪郭を持った図形に変形できるように、いくら元が同じものでも、様々な視点からの尺度、比率がバラバラに変われば、全体として見えるものは全く別のものになってしまう。つまり、人の認識は全体的なバランスを見る力によって大きく異なるということだろうと思う。
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もう一つ、全体を見て正しく割合を見れるようになると、確率だとか潮流だとか雰囲気だとか、なんとも言い難い機微を感じられるようになる。会話、スポーツ、芸術の中で、何となく情勢が分かって、さじ加減を調節できる。このへんは表立たない作用。
個人的に興味深いテーマなんだけど、いわゆる「運」や「偶然」というものは、まったく人知を超越した神秘的な何かと考える人もいれば、天文学的に膨大でカオスな事象の組み合わせでやはり人知を超越してると考える人もいれば、何の理由も無いと考える人もいるだろうけど、自分は、それらのどの考えも捨ててはないけど、一つには、そういう算数的な感覚や、数学的な関数でわりとたやすく解釈できる、そして操作できるものも多くあるだろうという考えを強く持っている。これも概ね前から言ってる通り。
・・・もう一つ話したいテーマがあったんだけどまた長いんで次回に回す。
あれかな、よくある経済とかゲームとか哲学の話になるかな★☆★